わたしにトリが見えるのは
みんなにできることが わたしには
できない代わりかもしれません。

わたしには生まれつき
卵巣がなくて
女の子の姿をしているけれど
女の子ではなかったのです

だから、好きな人ができても
遠くから眺めることしか
できませんでした
おふろに入ると
いっそ男の子なら幸せだったのかなって
いつも思ってしまいます。

そんなときも トリは
わたしを励ますように
おどけた仕草で
そばにいてくれるのでした
ごくたまに
わたしは 黒い鳥を見ることがあります

やっぱり他人には見えていないようで
かならず、その鳥のそばには
事切れた人の姿があるのです

そんなとき、いつものトリたちは
怯えたようにそそくさと姿を消してしまいます

黒い鳥をはじめて見たのは
大好きなおばあちゃんが亡くなる
前の日のことでした
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